購入時は高額でも

古い美術全集や文学全集を買取させていただく際のお客さまの反応ですが、どうしても二通りのパターンがあります。
一つは「むかし買った時は十万円以上したんだけど、今こういう本は売れないですよね。処分してもらえるだけでも十分です」と、いくら購入当時に高額だった物でも現在需要がなければ買取価格が安価だったり全く買値が付かないケースもあることをご理解されているパターン。
もう一つは「これ買った時は十万円以上したんですよ。内容も良くて今でも眺めてるんですけど、そろそろ整理しなければいけないと思って売ることにしました」→(見積もり額を提示後)→「えっ?。たったそれだけ?。十万円以上で買ったものですよ?」と、現在の需要をご存知無いために提示価格をすぐには受け入れることが出来ないパターン。

後者のお客さまのお気持ちは良く理解出来ます。
需要と供給を抜きで考えれば、内容は素晴らしく自分を高めることが出来る良本です。
でも、それら全集は買い手(需要)の方が売り手(供給)より圧倒的に少ない為、市場では高値ではもちろんのこと安値でもなかなか売れなくなっているのが現状です。

当店は良本を集めるコレクターではなく生業として再販することで利益を得ていかなければならない立場なので、再販して利益が出る範囲で買い取らざるをえません。
それでも、お客さまがショックを受けられている姿を見ると心が傷みます。

正直なところ、店舗倉庫では安価で買い取らせていただきながらも、再販でなかなか買い手が付かない美術全集や文学全集の在庫がソコソコございます。
それら在庫は、一定期間経過しても買い手が付かなければ破棄処分することになります。

電子化が進み、ますますその傾向が顕著になっていくことだと思います。
従って、手放すことを検討されている方は早めに動かれることをオススメします。